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Channel: 斬剣次郎の鉄道・バス斬り
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JR北海道の2014年度収支状況の公表に寄せて

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 1月29日にJR北海道は札幌市内で開かれた地域公共交通検討会議において、JR北海道の全路線の2014年度収支状況を公表し、
 全路線で赤字
 であることが判明しました。それを見て、私はやっぱり・・・と思ったものです。
 内容によれば、管理費がかさんでいる事が大きく、乗客の多い札幌都市圏では管理費を差し引くと黒字だそうです。しかし、営業係数が1000を突破している路線が10路線もあり、中にはスーパーおおぞらとスーパーとかちといった都市間特急を運行している根室本線と石勝線も含まれています。一番悪いのが留萌線の4554で、国鉄時代に全国ワーストと騒がれていた美幸線と添田線よりも悪くなっています。


 ただ、管理費の大きさが赤字の原因と考えてもよいのですが、北海道の厳しい
 気象環境
 に備えて重装備にするなど色々対策しないといけないし、線路設備もそれなりの対策も必要。ただでさえ乗客が少ないというのに冬季対策をしないといけない、本当に苦しい事が伺えます。
 でも、冬季になると、道路環境の関係で鉄道利用が増え、都市間特急では自由席に立ち客が出るなど混んでいるんですよね・・・。


 そして、ローカル線では軒並みに収支が悪化している点も見逃せません。鉄道ジャーナル誌に掲載されている鈴木文彦氏のローカル線のレポートをお読みになればお分かりになるかと思いますが、利用客は約30年前と今で比較すると、ほとんどにおいて乗客が減っているんですよね・・・。北海道でも例外でなく、国鉄時代よりもさらに減っているのだと思われます。
 写真は留萌線の増毛駅ですが、営業係数が4554で、国鉄時代のワーストよりも悪化していて、本当に手を付けられないほどひどくなっている事がわかります。国鉄時代の特定地方交通線から外れている事を考えると、著しく悪化している事がわかります。留萌~増毛間の廃止が決まっているのですが、残る区間も乗客は比較的少なく、大丈夫かな・・・と言いたくなるものです。留萌には札幌や旭川から都市間バスが走っていますし、留萌線の起点が深川とやや中途半端な感じもありますが・・・。


 こちらは札沼線ですが、かっては昭和40年代の赤字83路線の中に入るほどローカル線でしたが、札幌近郊である事からベッドタウン化が進み、北海道医療大学まで電車が走るほど成長していますが、北海道医療大学以北で乗客が少なく、それが響いて営業係数が2162となっています。
 札沼線は北海道医療大学までを見れば、儲かっているように見えるのですが、全体的にかなり厳しいとは意外でした。これが現実なんですね・・・。


 で、都市間バスに目を転じると、全体的に旺盛かなと感じたものです。特に長距離ではそこそこ乗っている印象で、夜行便では2台以上走っているシーンをよく見かけました。冬季でも通常より所要時間を長めに運行しているところもありますが、特に問題ないという印象でした。やっぱ、バスに食われていくのでしょうね・・・。

 北海道では過疎化などで地方の人口が減少しているにもかかわらず、冬季対策で金をかけないといけない、こんな構造が赤字の大きな原因かな?と思うのですが、これが現実なんですよね・・・。早速、キハ40系の老朽化を理由に各路線で減便することになっていますし・・・。これって、ある意味難しい問題ですね。
 以上です。

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