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Channel: 斬剣次郎の鉄道・バス斬り
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若桜鉄道SL走行社会実験

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 4月11日、若桜鉄道において
 SL走行社会実験
 が行われました。若桜鉄道ではSL走行を目指しており、SL走行による集客効果及び経済効果を検証するために若桜鉄道で保管しているSLを使用して走行が若桜~八東間にて行われました。ただ、SL及びDLには車籍が無いため、1往復の列車を運休たうえで線路を閉鎖し、10km/hで走行しました。その時の様子をレポートします。


 若桜鉄道で展示用及び体験運転用として保有している
 C12 167
 です。元々は加古川線で活躍していたもので、廃車後兵庫県で保存されていたものが、若桜鉄道が若桜駅SL遺産保存活動の一環として譲り受けたものです。C12 167は加古川線時代が長かったらしいのですが、一時期鳥取にいて若桜線を走った事があるという縁が決め手だったようです。
 若桜鉄道が譲り受けた後、若桜駅構内での展示運転及び体験運転のために圧縮空気による運転可能なように整備されているものです。これを本線上で運転させる事を目指しており、今回はその社会実験です。





 社会実験で走行した
 12系客車
 です。元JR四国で、ムーンライト高知で使用されていた車両です。上からスロフ12 3、オロ12 9、スロフ12 6です。JR四国時代にグリーン車化されていたものです。座席や御座敷はそのままかどうかはわかりませんが、外観は綺麗に修復・再塗装されています(JR四国時代末期はボロボロでしたが・・・)。これは観光列車用として譲り受けたもので、SL走行可能になった時は客車として使用することを想定しているようですね・・・。因みに車籍はありません。


 こちらは
 DD16 7
 です。これは鉄道総研での入り換えで使用されていたものを譲り受けたものです。DD16形はローカル線用として製造されたものですが、ローカル線の貨物輸送の廃止のあおりを受けてJR化を前に多数が廃車されていただけに貴重な存在ですね・・・。若桜鉄道では体験運転用として活躍しており、今回の走行実験でも郡家方に連結し、けん引や推進運転などで大活躍していました。ただ、現時点で車籍がありません。


 客車には地元で作られた多数の
 かかし
 が置かれていました。というのは今回の走行では車籍を持たないかつ一般列車として運行できないため、乗客を乗せる事が出来ず、かかしを乗客に見立てた感じです。こんなにたくさんのかかしを一生懸命に作り、雰囲気を演出していたことに頭が下がる思いでした。尚、車内には関係者も数名が乗車され、沿線に向かって手を振っておられていました。



 走行実験は若桜~八東間を1往復しましたが、その往路を
 丹比
 付近で撮影しました。往路はDD16形が先頭に立って走行しました。当日はまだ桜が咲いているところあちこちにあって、桜と一緒に撮影してみました。のどなか雰囲気でいいですね~



 列車は各駅で5分ぐらい停車することになっていたので、丹比での停車を利用して先回りし、丹比を発車する時のシーンを撮影しました。駅周辺では地元の方々が集まって列車の見送りをしていました。しかも、線路脇の家の窓から列車を見送る方までいたのだから、地元の盛り上がりを肌に感じました・・・。ほんとに凄い!



 こちらは丹比駅舎です。これは列車が来る前のものですが、本当に多数の人が集まっていて、盛り上がりを見せていました。下の写真は沿線各駅に貼られていた横幕です。今回の実験はいろんな方々の協力によって行われている事が伺えます。


 列車は八東で折り返し、復路は
 第二八東川橋梁
 で撮影しました。ここで5分間停車し、撮影タイムとしていました。川を渡るシーンもなかなかいいですね~



 列車の撮影後、
 若桜
 に行ってきました。若桜ではイベントが行われており、凄い盛り上がりを見せていました。若桜は駅舎だけでなく、いろんな場所において昔ながらの設備を残しており、これらの設備は国の登録有形文化財に登録されています。これらの設備を活かす形でSL走行を目指しているわけなんですね・・・。


 転車台付近で休むC12形とDD16形です。桜並木の下で休む姿は絵になります。その後、SLを前にトークショーなどの色んなイベントが行われたのですが、私はその前に帰ってしまったので・・・。



 駅舎には駅員と石破地方創生大臣の
 かかし
 が置かれていました。因みに若桜は石破大臣の地元であり、若桜周辺では石破大臣のポスターがあちこち貼られているのを見かけました。そんな大臣ですが、当日若桜駅で行われた出発式でも登場したとか・・・。


 SL走行に伴う線路閉鎖のため郡家~若桜間の1往復が運休になりましたが、その
 列車代行バス
 が運行されました。日本交通のエアロスターノンステの524が充当されていました。尚、若桜鉄道線では郡家~若桜間の全区間において日本交通の鳥取~若桜線と完全に並行しているのですが、代行バスは各駅に立ち寄る形で走っていたため、ルートは少々異なっていました。とはいえ、若桜鉄道線と並行する国道29号線では各所で渋滞していたため、日本交通の路線バスとともに少々の遅れが出ていました。

 今回の社会実験では多数の方々が集まり、集客効果及び経済効果が見られたようです。このまま実現するといいですね・・・。沿線には昔ながらの姿を残しているところが多いので、SL走行にはふさわしいと思います。にしても、若桜鉄道ってかなり前向きですね~
 以上です。

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