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Channel: 斬剣次郎の鉄道・バス斬り
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西鉄バスはかた号 個室型プレミアムシート乗車記

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 西鉄バスでは2014年12月に博多~東京を結ぶ「はかた号」に
 新型車両
 を投入し、これまでのエアロキングを代替しました。その新型車両はエアロクィーンに戻りましたが、そのエアロクィーンには個室型プレミアムシートを設けたことが最大のポイントです。その個室型プレミアムシートに乗車してきましたので、レポートします。



 このたび投入された新型車両は
 エアロクィーン
 2台です。QRG代となりますが、2014年は対本州用の夜行高速車を多数投入されており、そのうちの2台がはかた用となっています。ただ、社番は特別な車両であるが故なのか、0001と0002が割り当てられています。尚、0001と0002を付けていたエアロキングの方は廃車とならず0003・0004に改番した上で車籍を残しています。
 尚、エアロキングの方は投入開始から5年ではかたから降板しているのですが、はかた用車両は連日1000kmを走行する事から代替が早く、一般的に5年間ぐらいで交代しているようです。エアロキングより前のエアロクィーンたちは他の対本州方面の路線へ転用されていましたが、2014年に多数のエアロクィーンの新車が投入されたため、九州内の高速バスへ転用されているようです。とはいえ、エアロキングの方はどうなるんでしょうね・・・。



 車体塗色は基本的にこれまでの白夜行塗色に準じていますが、一部が金色になるなど特別な車両であることをPRしているかのような感じでした。もちろん、東京の文字も・・・。


 エアロクィーンには先代のエアロキングと同じように行先表示器は装備せず、サボなどで対応しています。これは最近の夜行高速車に共通している傾向ですが・・・。


 新型車両では個室型プレミアムシートと独立3列シート(最後部は4列)という構成となった事がポイントです。エアロキング時代は多様なニーズに対応するためにプレミアムシート、独立3列シート、4列シート(エコノミシート)の3タイプを提供していましたが、人気の高かったエコノミシートが廃止されました。人気が高かったものを切り捨てる点に???と感じたものですが、車両選択や競合などを考慮したのでしょうか・・・。
 個室型プレミアムシートを前方に4名分、独立3列シートを後方に配置し、トイレは独立3列シート部に配置しています。これは個室型付きの車両に一般的に見られる傾向ですね・・・。




 個室型プレミアムシート
 です。マジカルテクニカ製のシートを2列に配置し、それぞれの席に仕切りを設け、出入り口部分にカーテンを設ける事によって個室化した事がポイントです。これは海南観光のマイフローラなどに見られる形態です。シートそのものは本革タイプですが、リクライニングなどが電動になっています。そのため、出入り口部分の仕切りにリモコンが置いてあり(固定ですが・・・)、そのリモコンを操作する事によってリクライニング、足載せ台の取り出し等を行う事が出来ます。更にマッサージ機能もあります。ただ、エアロキングのプレミアムシートよりも座席幅がやや狭く、リクライ角度もちょっと浅めでした・・・。でも個室型になったので、プラスマイナスゼロかな?
 尚、リモコンの下のボタンは照明ボタンです。高速バスの照明ボタンは荷棚の下にあるので、手を伸ばす必要があったのですが、今回は座席の横にあるので気楽に操作が出来るようになりました。しかも、調光付きです。完全に家庭用と同じですな・・・。





 単に個室化されただけでなく、設備の充実化も図られています。上からテーブル、コンセント、シートポケットとハンガー、空気清浄機です。コンセントは座席の両面に付いているので、1つの座席に2つのコンセントが付いた事になります。これまでなら1つしかなかったので大振る舞いですな・・・。更にUSBポート付きですね・・・。空気清浄機は中国バスのドリームスリーパー等で見られますが、これも革新的ですね・・・。



 プレミアムシートには何と
 iPad mini
 まで付いています。これを使う事によってネット(Wi-Fiの接続が必要ですが・・・)を使う事も出来ます。とはいえ、無料でWi-Fiを行えるのは1日に30分ずつの3回のみですが・・・。でも、タブレットにはゲーム等が入っており、これで遊ぶこともできます。尚、タブレットにはチェーンが掛けられており、盗難防止に気を使っているようですね・・・。
 設備はこれ以上です。ここでお気づきなのかもしれませんが、プレミアムシートにはTVモニタがありません。先代のエアロキングのプレミアムシートにはTVモニタが付いていたのですが、これを廃止したのです。というのは西鉄ではTVモニタに映画(DVD)を流していたのですが、最近は映画より携帯やタブレットなどでネットを見ながら過ごす客が増えて来たようで、TVモニタを廃止する代わりに各座席にコンセントを整備したのです。



 さて、個室型プレミアムシートは4席があるのですが、どちらかというと一番前のB1席とB2席が得かなと思います。というのは前方の突起が無く、足をのんびりと上下できることや1つの座席で大きな窓を独り占め出来るので、優越感が大きいかと思います。因みに海南観光のマイフローラに乗車した時、最後部の座席に当たり、その時は前の突起でやや狭く感じました。


 独立3列シートです。プレミアムシートと同じマジカルテクニカ製の本革シートとなっていますが、他の車両と比べるとややグレードダウンしたかのような感じでした。最後部の4列を含め20名分となっています。尚、西鉄伝統のシートカーテンは健在です。



 新型車両の投入と同時にはかた号の博多側の起終点が
 博多バスターミナル
 へ変更されました。博多バスターミナルの方が車庫から近く、天神での渋滞による遅延拡大を防ぐためだと思われます。はかた号は18時50分に36番乗り場から出ます。


 18時45分ごろにはかた号の車両がバスターミナルにやってきて、さっそく乗車扱いを始めます。車両は0001でした。


 18時50分に博多バスターミナルを出て約15分で
 西鉄天神高速バスターミナル
 に到着し、ここで乗車扱いです。長らくここが起点でしたが、今回のダイヤ改正で経由地に変わりました。ここで多数の乗客が乗ってきて、シートもほぼ埋まってきました。


 西鉄天神高速バスターミナルを出ると、渋滞で有名な渡辺通りを通って天神北ランプへ向かいます。その時、柏原の新型エアロスターの4872と並走していました。以前に博多フジヤマエクスプレスに乗車した時もエアロスターノンステと並走してたな・・・。
 天神北ランプから福岡都市高速に入り、更に九州自動車道路に入ります。


 八幡インターから北九州都市高速に入り、20時10分ごろに黒崎インター引野口に到着。乗車なしでそのまま出発します。かってのはかた号は北九州地区を経由していなかったのですが、最近になって北九州地区にも停車するようになったため、北九州都市高速を通るようになりました。かっては九州自動車道路をそのまま走って本州に入ったいたのですがね・・・。
 20時30分ごろに砂津に到着。数名を乗せて出発しました。


 そして、
 小倉駅前
 に到着。ここで数名を乗せて、ここで乗車扱いは終了。あとは東京に向かって走るのみ!本日は満席でした。でも、個室型プレミアムシートなので、人を気にせずに過ごせるのは大きいですね・・・。


 北九州都市高速に戻り、更に九州自動車道路に入り、21時頃には関門橋を渡りました。いよいよ本州です。因みに私の座っているB2席は運転席側の一番前ですが、個室型がゆえに仕切りで前が見えません。でも、通路側に顔を出して撮影しました・・・。


 22時前に
 佐波川SA
 に到着し、ここで休憩となります。SAにはコンビニもあり、買い物をすることもできます。まぁ、のんびりと気分転換です。


 休憩が終了すると、運転手が客室にやってきて、シートカーテンが引かれます。独立3列シートと個室型プレミアムシートの間にもカーテンが引かれ、個室型プレミアムシートは特別な空間という感じになってきました。因みに個室型プレミアムシートは元々乗客によってカーテンが引かれているので、運転手は手つかずです。走りだしてからしばらくして消灯となりますが、個室型プレミアムシートは消灯なしです(ただ、個室内の電灯だけなのでやや暗くなりますが・・・)。更に仕切りもあるので消灯後も光を気にせずに過ごすことが出来ます。
 丁度頃合いを見て自分で消灯し、就寝に入ります。


 そして、7時頃には
 静岡SA
 に入り、朝の休憩に入ります。因みにはかた号は以前中央道経由でしたが、2012年の北九州地区経由と同時に中央道から東名道へ変更した後、2014年の新型車両投入と同時に新東名経由に変更されています。なので、朝の休憩も静岡SAとなりました。
 朝のさわやかな息を吸った後、出発です。ここで変化が・・・。これまでは朝の休憩が終わった後、運転手が朝食を配布していたのですが、それが無くなっていたのです(ただし、前夜に水のペットボトルの配布があった)。これはSAにコンビニを併設するなどSAのサービス向上が図られた事が大きいでしょう・・・。私の方でもSAのコンビニで朝食を購入し、車内で食べました。


 東京料金所で東名から首都高速に入り、更に最近で来てばかりの中央環状を通りました。トンネルの中が凄いです・・・。


 そして、定刻より少々早い9時20分ごろに終点の
 新宿駅西口
 に到着しました。ここで下車です。

 こうして個室型プレミアムシートに乗車したわけですが、博多~東京間の約15時間の乗車で、他の人を気にせずに過ごすという点ではおおいに有効でした。シートもエアロキングのプレミアムシートよりも劣るものの、本革ややや硬めのシートなどもあり、それなりの改良が加わった感じですね・・・。さすがに「キング・オブ・深夜バス」なだけに改良も忘れていなかったんだなと感じさせました。いやぁ~もっと乗っていたかった気分でした。
 以上です。

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