本来なら、本日はバスの記事ですが、3/14改正に向けてUPする件が多数あるため、しばらく鉄道の記事をUPします(バスの記事の再開は来週を予定しています)。
さて、来るダイヤ改正でJR北海道において
711系
が引退します。711系は1967年の函館本線電化に合わせて投入された交流電車で、北海道特有の気候に合わせて徹底した耐寒耐雪構造を採った事がポイントです。711系は電化区間の列車用として投入されたため、普通列車だけでなく急行列車にも充当されていました。電化区間の延長に伴い、活躍範囲を広げ、更に増備も進められました。しかし、JR化以降に後継車の登場により、廃車が進められ、この度の引退が決まったわけです。私が711系に乗るようになったのは基本番台の淘汰が完了した後なので、100番台ばかりでした。
そんな711系の軌跡を私なりに振り返ります。
711系は基本的にクハ711形+モハ711形+クハ711形の3両編成を組み、1M方式でした。クハ711形はトイレの有無で100番台と200番台に分けられていましたが、基本番台は両方ともトイレ付きでした。写真は上から
クハ711-117
モハ711-117
クハ711-217
です。
711系は多数の編成がいますが、大まかに分かれると非冷房2扉車、3扉化改造車、冷房化改造車に分けられます。このうちの
非冷房2扉車
は711系のオリジナルをよく残している事がポイントです。基本番台はほとんどがこういう形態でしたが、100番台はS-110・112・114編成の3編成のみで、S-112編成が2006年に廃車された後は2編成のみが残っていました。この2編成は2011年から2012年にかけて国鉄色に戻されました。特にS-110編成は貫通扉部の列車番号表示器を再設置して編成番号を表示している事がポイントです。
こちらは
3扉化改造車
です。札幌都市圏の混雑が激しくなったため、混雑緩和のために1987年に5編成が3扉化改造が行われました。ただ、3扉化したのはクハ711形のみで、モハ711形は車重の関係で台枠強化が不可能なため対象外となりました。他の編成と識別するために扉に帯が追加されています。とはいえ、3扉化してもデッキやセミクロスシートはそのままとしたため、車内がやや中途半端な感じでした。尚、3扉化改造車は全編成が非冷房車です。
こちらは
冷房化改造車
です。2011年に9編成が改造されました。当時の711系は全て非冷房であったため、客室環境改善のために行われた感じですね・・・。冷房化改造編成が出たことにより、冷房車と非冷房車で運用を区別するようになりました。冷房化改造は3扉化が行われなかった編成に対して行われたため、全て2扉車です。
次に711系が残した足跡をたどって行きます。
こちらは札幌都市圏で中心となる
札幌
です。1967年の運転開始からここを拠点に各方向へ運行してきました。普通列車をメインに時には急行、快速、区間快速など色んな列車にも充当されました。時には札幌駅には711系が勢ぞろいする時も・・・。しかし、2014年8月改正で朝と深夜しか来なくなってしまいました。でも、ベースが札幌運転所であることは変わりありません。
711系はいろんな種別で活躍していましたが、最後まで残った種別が区間快速いしかりライナーです。末期は岩見沢~札幌間の1本のみでしたが、2014年ダイヤ改正で無くなってしまいました・・・。
こちらは
小樽
です。1967年の運転開始から乗り入れていました。しかし、後継車の登場により、朝夕のみとなり、昼間には昼寝するシーンもありました。しかし、2014年8月のダイヤ改正で撤退してしまいました。
こちらは
滝川周辺
です。こちらも1967年の運転開始時から通っているところです。そして、今でもこの区間の普通列車は711系が主力となっています。この区間は乗客が少ないため、ボックスシートの711系にはピッタリでしょうね・・・。
こちらは
旭川
です。1969年の滝川~旭川間の電化により、旭川にも乗り入れるようになりました。滝川までは朝夕のみ721・731・733・735系が乗り入れるという例はありますが、滝川~旭川間は2014年8月ダイヤ改正まで711系の独相場でした。つまり、旭川にやってくる電車の普通列車は必ず711系だったということになりますね・・・。旭川では2010年に高架化されましたが、旧駅と高架化後の新駅の両方ともしっかりと足跡を残しています。
こちらは
千歳線
です。1980年の千歳線電化に合わせて乗り入れるようになりました。しかし、721系などの後継車は高速運転を行う列車が多い千歳線を優先的に投入してきたため、比較的早い段階に711系の列車が減り、末期は朝の上りと夜間の下りの1往復のみとなっていました。これは室蘭本線に充当されている編成の札幌運転所への出入庫によるものです。今の札幌~苫小牧間と同じですね・・・。
しかし、2012年10月ダイヤ改正で室蘭本線の普通列車の気動車化により、撤退しました。
こちらは
室蘭本線
です。1980年の沼ノ端~室蘭間の電化に合わせて乗り入れが開始されました。普通列車をメインに急行も充当されていました。千歳線は高速化により早い段階で撤退が進んだに対し、室蘭本線の苫小牧~室蘭間は721系以降の車両が入線しなかったため、電車の普通列車は全て711系によって運行されていました。基本は苫小牧~東室蘭間ですが、中には苫小牧~糸井間の短距離列車にも充当されていました。しかし、2012年10月ダイヤ改正で学園都市線の電化に伴う余剰車によって気動車化されることになり、千歳線とともに撤退しました。室蘭本線苫小牧~室蘭間は721系以降の新型車両は結局入線しないまま電車の普通列車が消えてしまったことになりますね・・・(特急の格下げは除く)。
こちらは
室蘭
です。室蘭本線の711系は苫小牧~東室蘭間がメインで、東室蘭~室蘭間は朝の1往復のみの乗り入れでした。そもそも、この区間の普通列車は特急「すずらん」の格下げ以外は気動車が主体だったためです。しかし、しっかりと足跡を残したことは事実ですね・・・。
こちらは
学園都市線
です。2012年6月に北海道医療大学まで電化されましたが、711系は2012年10月ダイヤ改正で乗り入れが開始されました。朝ラッシュの1.5往復のみ6両編成で乗り入れていました。711系としては1980年以来32年ぶりとなる新規乗り入れでしたが、同時に千歳線・室蘭本線から撤退してしまいましたが・・・。とはいえ、711系は札幌都市圏の全電化区間に乗り入れは守られた形ですね・・・。
しかし、この時は既に733系の投入が進められていたので、2014年3月ダイヤ改正で撤退してしまいました。因みに2014年に入って733系の増備により711系の運用を721系以降が代走するケースが増え、一旦711系が入らなくなったようです。しかし、2014年2月に行った時はたまたま711系が復帰していたようで、学園都市線と冬と711系のシーンを撮影することができました。しかし、撮影直後に再び721系以降が代走するようになり、改正まで入ることが無かったとか・・・。
学園都市線を走る3扉化改造車です。学園都市線の運用は冷房車の運用に組み込まれていたため、原則的に冷房車が充当されていました。しかし、冬場は冷房を使用しないので、非冷房車が入ることもあり、3扉車もしっかりと足跡を残していました。
冬場
の711系です。北海道の雪は本州と比べて軽いため、雪が車体に付いたまま走行する姿はまさに北海道で活躍してきた711系らしい光景です。こんな姿を見ると、本当に頑張っているんだなと感じたものです。更にドアにはブラシを付けるなど色んな工夫がなされていたことが印象的でした。
2014年8月のダイヤ改正で733系の増投入に伴い、711系は函館本線岩見沢~旭川間での運用が主体となり、札幌には札幌運転所への出入庫による1往復のみとなってしまいました。しかし、それでもいつもと変わらぬ姿で札幌の通勤通学輸送や岩見沢~旭川間のローカル輸送に勤しんでいました。711系の最後の乗車は2014年10月23日の144Mで、S110編成でした。
長い事、札幌都市圏で活躍し、私が北海道遠征に行くたびに乗ってきた711系ですが、もう2度と見ることや乗ることが出来ないと考えると、寂しい限りです。711系独特の車内や小さな窓、キリがありません・・・。本当にお疲れさまでした。
以上です。
さて、来るダイヤ改正でJR北海道において
711系
が引退します。711系は1967年の函館本線電化に合わせて投入された交流電車で、北海道特有の気候に合わせて徹底した耐寒耐雪構造を採った事がポイントです。711系は電化区間の列車用として投入されたため、普通列車だけでなく急行列車にも充当されていました。電化区間の延長に伴い、活躍範囲を広げ、更に増備も進められました。しかし、JR化以降に後継車の登場により、廃車が進められ、この度の引退が決まったわけです。私が711系に乗るようになったのは基本番台の淘汰が完了した後なので、100番台ばかりでした。
そんな711系の軌跡を私なりに振り返ります。
711系は基本的にクハ711形+モハ711形+クハ711形の3両編成を組み、1M方式でした。クハ711形はトイレの有無で100番台と200番台に分けられていましたが、基本番台は両方ともトイレ付きでした。写真は上から
クハ711-117
モハ711-117
クハ711-217
です。
711系は多数の編成がいますが、大まかに分かれると非冷房2扉車、3扉化改造車、冷房化改造車に分けられます。このうちの
非冷房2扉車
は711系のオリジナルをよく残している事がポイントです。基本番台はほとんどがこういう形態でしたが、100番台はS-110・112・114編成の3編成のみで、S-112編成が2006年に廃車された後は2編成のみが残っていました。この2編成は2011年から2012年にかけて国鉄色に戻されました。特にS-110編成は貫通扉部の列車番号表示器を再設置して編成番号を表示している事がポイントです。
こちらは
3扉化改造車
です。札幌都市圏の混雑が激しくなったため、混雑緩和のために1987年に5編成が3扉化改造が行われました。ただ、3扉化したのはクハ711形のみで、モハ711形は車重の関係で台枠強化が不可能なため対象外となりました。他の編成と識別するために扉に帯が追加されています。とはいえ、3扉化してもデッキやセミクロスシートはそのままとしたため、車内がやや中途半端な感じでした。尚、3扉化改造車は全編成が非冷房車です。
こちらは
冷房化改造車
です。2011年に9編成が改造されました。当時の711系は全て非冷房であったため、客室環境改善のために行われた感じですね・・・。冷房化改造編成が出たことにより、冷房車と非冷房車で運用を区別するようになりました。冷房化改造は3扉化が行われなかった編成に対して行われたため、全て2扉車です。
次に711系が残した足跡をたどって行きます。
こちらは札幌都市圏で中心となる
札幌
です。1967年の運転開始からここを拠点に各方向へ運行してきました。普通列車をメインに時には急行、快速、区間快速など色んな列車にも充当されました。時には札幌駅には711系が勢ぞろいする時も・・・。しかし、2014年8月改正で朝と深夜しか来なくなってしまいました。でも、ベースが札幌運転所であることは変わりありません。
711系はいろんな種別で活躍していましたが、最後まで残った種別が区間快速いしかりライナーです。末期は岩見沢~札幌間の1本のみでしたが、2014年ダイヤ改正で無くなってしまいました・・・。
こちらは
小樽
です。1967年の運転開始から乗り入れていました。しかし、後継車の登場により、朝夕のみとなり、昼間には昼寝するシーンもありました。しかし、2014年8月のダイヤ改正で撤退してしまいました。
こちらは
滝川周辺
です。こちらも1967年の運転開始時から通っているところです。そして、今でもこの区間の普通列車は711系が主力となっています。この区間は乗客が少ないため、ボックスシートの711系にはピッタリでしょうね・・・。
こちらは
旭川
です。1969年の滝川~旭川間の電化により、旭川にも乗り入れるようになりました。滝川までは朝夕のみ721・731・733・735系が乗り入れるという例はありますが、滝川~旭川間は2014年8月ダイヤ改正まで711系の独相場でした。つまり、旭川にやってくる電車の普通列車は必ず711系だったということになりますね・・・。旭川では2010年に高架化されましたが、旧駅と高架化後の新駅の両方ともしっかりと足跡を残しています。
こちらは
千歳線
です。1980年の千歳線電化に合わせて乗り入れるようになりました。しかし、721系などの後継車は高速運転を行う列車が多い千歳線を優先的に投入してきたため、比較的早い段階に711系の列車が減り、末期は朝の上りと夜間の下りの1往復のみとなっていました。これは室蘭本線に充当されている編成の札幌運転所への出入庫によるものです。今の札幌~苫小牧間と同じですね・・・。
しかし、2012年10月ダイヤ改正で室蘭本線の普通列車の気動車化により、撤退しました。
こちらは
室蘭本線
です。1980年の沼ノ端~室蘭間の電化に合わせて乗り入れが開始されました。普通列車をメインに急行も充当されていました。千歳線は高速化により早い段階で撤退が進んだに対し、室蘭本線の苫小牧~室蘭間は721系以降の車両が入線しなかったため、電車の普通列車は全て711系によって運行されていました。基本は苫小牧~東室蘭間ですが、中には苫小牧~糸井間の短距離列車にも充当されていました。しかし、2012年10月ダイヤ改正で学園都市線の電化に伴う余剰車によって気動車化されることになり、千歳線とともに撤退しました。室蘭本線苫小牧~室蘭間は721系以降の新型車両は結局入線しないまま電車の普通列車が消えてしまったことになりますね・・・(特急の格下げは除く)。
こちらは
室蘭
です。室蘭本線の711系は苫小牧~東室蘭間がメインで、東室蘭~室蘭間は朝の1往復のみの乗り入れでした。そもそも、この区間の普通列車は特急「すずらん」の格下げ以外は気動車が主体だったためです。しかし、しっかりと足跡を残したことは事実ですね・・・。
こちらは
学園都市線
です。2012年6月に北海道医療大学まで電化されましたが、711系は2012年10月ダイヤ改正で乗り入れが開始されました。朝ラッシュの1.5往復のみ6両編成で乗り入れていました。711系としては1980年以来32年ぶりとなる新規乗り入れでしたが、同時に千歳線・室蘭本線から撤退してしまいましたが・・・。とはいえ、711系は札幌都市圏の全電化区間に乗り入れは守られた形ですね・・・。
しかし、この時は既に733系の投入が進められていたので、2014年3月ダイヤ改正で撤退してしまいました。因みに2014年に入って733系の増備により711系の運用を721系以降が代走するケースが増え、一旦711系が入らなくなったようです。しかし、2014年2月に行った時はたまたま711系が復帰していたようで、学園都市線と冬と711系のシーンを撮影することができました。しかし、撮影直後に再び721系以降が代走するようになり、改正まで入ることが無かったとか・・・。
学園都市線を走る3扉化改造車です。学園都市線の運用は冷房車の運用に組み込まれていたため、原則的に冷房車が充当されていました。しかし、冬場は冷房を使用しないので、非冷房車が入ることもあり、3扉車もしっかりと足跡を残していました。
冬場
の711系です。北海道の雪は本州と比べて軽いため、雪が車体に付いたまま走行する姿はまさに北海道で活躍してきた711系らしい光景です。こんな姿を見ると、本当に頑張っているんだなと感じたものです。更にドアにはブラシを付けるなど色んな工夫がなされていたことが印象的でした。
2014年8月のダイヤ改正で733系の増投入に伴い、711系は函館本線岩見沢~旭川間での運用が主体となり、札幌には札幌運転所への出入庫による1往復のみとなってしまいました。しかし、それでもいつもと変わらぬ姿で札幌の通勤通学輸送や岩見沢~旭川間のローカル輸送に勤しんでいました。711系の最後の乗車は2014年10月23日の144Mで、S110編成でした。
長い事、札幌都市圏で活躍し、私が北海道遠征に行くたびに乗ってきた711系ですが、もう2度と見ることや乗ることが出来ないと考えると、寂しい限りです。711系独特の車内や小さな窓、キリがありません・・・。本当にお疲れさまでした。
以上です。