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Channel: 斬剣次郎の鉄道・バス斬り
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長崎電気軌道2000形さよなら運行

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 長崎電気軌道の
 2000形
 が3月30日のさよなら運行をもって引退しました。2000形は軽快電車の量産第1号として1980年に投入されたものです。しかし、高コストであったことから2両のみで終わり、希少車がゆえにメンテナンスコストがかさむことを理由に2010年に2002が廃車となり、残る2001もこのたび引退が決まりました。
 とはいえ、私としては軽快電車と呼ばれた広島電鉄3500形と長崎電気軌道2000形は未撮影だったので、さよなら運転を機に撮影&乗車してきました。この時は富山からサンダーバードと夜行バスを乗り継いで長崎へ移動してきました(こういう移動は初めてです・・・)。



 2000形は都営7000形更新車のデザインをベースとした車体が特徴で、従来の路面電車とは車体デザインが大きく変わったことがポイントです。それだけでなく、サイリスタチョッパ制御器が搭載されています。当時は路面電車の廃止が相次ぎ、技術も停滞状態だったので、停滞状況を抜け出すべく日本鉄道技術協会が中心となって各メーカが協力して新型路面電車を開発していました。斬新なデザインそしてサイリスタチョッパ制御器といった最新技術を採用していたので、軽快電車と呼ばれていました。2000形はもちろんこれらを採用し、以後の車両に影響を及ぼしました。
 2000形のデザインは機器流用車の1200形などとほぼ同じ車体ですが、パンタグラフそして中扉が4枚折戸である点に差異があります。



 車内です。2001は2008年にリニューアル工事が行われており、セミクロスシートだったのが他の車両と同じオールロングシートに変更されています。4枚折戸の出入口には中央部にポールを設けて2列で乗車できるようになっています。そのため、ICカードリーダーも両方に設けられています。


 製造銘板です。川重とアルナの共同制作となっています。車体は川重だそうですが・・・。


 側面行き先表示器の車内側に貼られていたローレル賞のプレートです。2000形は斬新な軽快電車という評価で1981年のローレル賞に輝いています。



 車内には1980年8月9日の営業運転開始時の写真が展示されていました。それから33年7ヶ月走ってきたことになりますね・・・。当時は技術の停滞から旧型電車ばかりという状態だったものに斬新なデザインの車両が出てきたわけですから、大きな注目だったのでしょうか・・・。当時は370形以来となる完全新造車だったそうです。


 運転台です。ハンドルが両側に設けられていて、前後に押す方式でした(2つあるが、同時に動く)。当時の路面電車はハンドル式ばかりだっただけに運転台も人間工学を取り入れて斬新な形になったようですね・・・。因みに機器流用の1200・1300・1500形などは在来車の機器を流用しているため、ハンドル式になっています。


 さよなら運行にあたって専用のHMを取り付けて運行していました。



 さよなら運行を前に浦上車庫でプチ撮影会が開催され、その時にファンの方が保管?していた軽快電車のHMを取り付けていました。HMのデザインも軽快ですね・・・。


 蛍茶屋で折り返す2001です。さよなら運行では浦上車庫〜蛍茶屋間を往復していました。ただ、蛍茶屋行きは桜町経由の3系統、浦上車庫行きは築町経由の2系統として運行され、往復で違うルートを通っていました。とはいえ、2000形より古い車両がバリバリと現役で走っている中で2000形が先に引退してしまうなんてもったいないと思うかもしれませんが、少数派そして全国的に少数派のサイリスタチョッパ制御器などが災いとなってしまった形ですね・・・。



 2000形と1200形の比較です。車体はほぼ同じながら2000形は完全新造車、1200形は機器流用という違いがあります。1200形ではパンタグラフと台車などで機器流用していることが分かるような感じです。
 長崎電気軌道では2000形が高コストであったがゆえに車体更新という方針に変換し、約20年間1200・1300・1500・1700・1800形と機器流用車を登場させ、完全新造車は2003年の超低床電車の3000形までまたなければなりませんでした。でも、車体デザインの斬新さは以後の車両に大きな影響を及ぼしたことは言うまでもありません。

 路面電車の技術停滞時代に突如と登場した軽快電車ですが、以後の路面電車に大きな影響を及ぼしたのは言うまでもなく、路面電車に明るい未来を映しだしました。もしも、軽快電車が無かったらどうなったのだろうかと考えると、功績は大きいと思います。
 以上です。

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